検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 855 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

報告書

J-PARC照射後試験施設概念検討

斎藤 滋; 明午 伸一郎; 牧村 俊助*; 平野 幸則*; 堤 和昌*; 前川 藤夫

JAEA-Technology 2023-025, 48 Pages, 2024/03

JAEA-Technology-2023-025.pdf:3.11MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)は、原子力発電に伴い発生する高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減のため、加速器を使った核変換の研究開発として加速器駆動システム(ADS; Accelerator-Driven Systems)の開発を進めている。ADSの設計に必要な材料照射データベースを作成し、鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic)中での照射効果について研究するため、J-PARCに陽子照射施設の検討を進めている。この陽子照射施設では、LBEの核破砕ターゲットに250kWの陽子ビームを入射し、ADSの構造材候補材についてLBE流動下での照射試験を実施する他、半導体ソフトエラー試験、医療用RI製造、陽子ビーム利用などを行う計画である。これらのうち照射済み試料の照射後試験(PIE; Post Irradiation Examination)とRIの分離精製は、陽子照射施設に付属して建設されるPIE施設において実施される。本PIE施設では、J-PARCの他の施設において照射された機器や試料のPIEも実施される予定である。本報告書は、この照射後試験施設の概念構築に必要な照射後試験項目、試験フロー、設備、試験装置等の検討を行い、施設内の配置案をまとめたものである。

論文

Neutron-production double-differential cross sections of $$^{rm nat}$$Pb and $$^{209}$$Bi in proton-induced reactions near 100 MeV

岩元 大樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 八島 浩*; 西尾 勝久; 杉原 健太*; $c{C}$elik, Y.*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 544, p.165107_1 - 165107_15, 2023/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Instruments & Instrumentation)

入射陽子エネルギー200MeV以下の中性子生成に関する二重微分断面積(DDX)データの不足は、加速器駆動核破砕システム(ADS)の研究開発などの技術応用における核破砕モデルの検証を妨げている。本研究では、このエネルギー領域におけるADS核破砕ターゲット材料のDDX実験データを取得し、解析予測との比較を通じて核破砕モデルに関する課題を明らかにすることを目的とした。実験は、京都大学のFFAG加速器を用いて行った。100MeV領域の$$^{rm nat}$$Pbと$$^{209}$$Biの陽子入射核反応に対するDDXを飛行時間法を用いて30$$^{circ}$$から150$$^{circ}$$の角度範囲で測定した。得られたDDXをモンテカルロ法に基づく種々の核破砕モデル及び評価済み核データライブラリによる計算結果と比較した。DDXの測定値と核破砕モデル及び評価済み核データライブラリに基づく解析値を比較した結果、CEM03.03モデルが実験値に最も近い一致を示した。さらに、100MeV領域における陽子入射中性子生成DDXの再現性向上のために対処すべき複数の課題を明らかにした。

論文

非破壊型静電セプタム試験機によるビーム分離実験と装置改良の検討

永山 晶大; 原田 寛之; 下川 哲司*; 佐藤 篤*; 山田 逸平; 地村 幹; 小島 邦洸; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.526 - 530, 2023/11

本研究では、ビームの遅い取り出しのための非破壊型静電セプタムを開発している。従来型と異なり、この装置はビームと衝突しないようにビーム周辺に配置した多段電極で構成されており、発生させた電場によって非破壊でビームを分離する。本研究ではその電場分布を評価すべく、電子銃とビームモニタで構成された試験装置を開発した。その装置に試作電極を設置し、細い電子ビームで電場分布測定の実験を実施した。その測定結果は計算結果との良好な一致を示した。しかし、ビームの分離能力はまだ十分ではない。そこで、電場分布の改良に向けた電極形状や配置の最適化の検討を行った。本発表では、試験装置を用いた電場分布測定実験の結果や改良案を報告する。さらに、本開発の今後の展望についても述べる。

論文

Development of a single-ended magnetic alloy loaded cavity in the Japan Proton Accelerator Research Complex rapid cycling synchrotron

山本 昌亘; 野村 昌弘; 沖田 英史; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2023(7), p.073G01_1 - 073G01_16, 2023/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)

J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、ビームの加速に金属磁性体を装荷した加速空胴を使用している。金属磁性体の広帯域特性を利用して、ビームを加速する周波数だけでなく、その高調波も増幅する多重高調波励振によってビームの安定加速を実現している。既設の空胴は真空管増幅器において、加速電場を発生させる絶縁ギャップの前後に個別に電圧を印加するプッシュプル励振となるよう設計されている。プッシュプル励振は、ビームを加速しない状態では高調波歪みを抑制でき、さらに空胴の長さを短くできる利点がある。しかし、大強度ビーム加速時にはビームが誘起する電圧によって多重高調波励振が歪められ、それを補正するために絶縁ギャップの前後にかかる陽極電圧振幅が深刻な不平衡を引き起こし、真空管の動作を制限してしまう。現状では、設計値である1MWビーム加速は達成できているが、より安定な運転を行う上では真空管の不平衡が問題となる。この問題を避けるため、シングルエンド励振の空胴を開発した。シングルエンド励振は本質的に不平衡が起こらず、さらに既設の空胴に対して遥かに少ない電力消費を達成できることが分かった。

論文

Measurement of 107-MeV proton-induced double-differential thick target neutron yields for Fe, Pb, and Bi using a fixed-field alternating gradient accelerator at Kyoto University

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:68.71(Nuclear Science & Technology)

加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。

報告書

原子力機構-東海タンデム加速器の発電用回転シャフト装置における軸受ユニットの開発

乙川 義憲; 松田 誠; 阿部 信市

JAEA-Technology 2022-037, 23 Pages, 2023/03

JAEA-Technology-2022-037.pdf:5.38MB

原子力機構-東海タンデム加速器の発電用回転シャフト装置の軸受ユニットは、加速器の設置当初からベアリングの運転寿命が短く、交換整備後も初期故障が多発していた。そのため交換整備の数量や頻度が多く、加速器圧力容器を開放して行う定期整備において多くの時間を費やしており、これを解決することが長年の懸案事項であった。この初期故障の原因を考察した結果、軸受ユニットが軸方向変位に対し自由度がないこと、および上下の軸受ユニットの回転軸を一致させることが困難であることが主な原因であり、そのためベアリングに過度な負担が生じていると推察した。これを解決するため、軸受ユニットのフランジに軸方向変位と偏角の自由度を持たせるように金属板ばねによるカップリング(軸継手)を有した軸受ユニットを開発した。この結果、キャスティング間の距離のばらつきや、上下の軸受ユニットの回転軸のずれを許容できるようになった。開発した新型軸受ユニットを実機に設置し、実運転で使用を継続しつつ改良を加えることでベアリングの初期故障の数を減らし、運転寿命を約2倍以上に延ばすことに成功した。この開発により、軸受ユニットの交換整備数が減ったことで整備時間を1週間に短縮できた。また、年間で3回程度実施していた加速器圧力容器を開放して行う定期整備の1回化を実現し、その恩恵として温暖化ガスである六フッ化硫黄(SF$$_{6}$$)ガスの放出量を年間で約33$$sim$$50%に削減できた。本報告書では、新型軸受ユニットの開発および2006年から2020年までの整備状況について報告する。

報告書

鉛ビスマス要素技術開発装置を用いたフリーズシールバルブの開発

斎藤 滋; 山口 和司*; 吉元 秀光*; 大林 寛生; 佐々 敏信

JAEA-Technology 2022-032, 51 Pages, 2023/03

JAEA-Technology-2022-032.pdf:4.51MB

長寿命放射性廃棄物の核変換を実現するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)が研究を進めている加速器駆動システム(ADS; Accelerator Driven System)では、核破砕ターゲット及び未臨界炉心冷却材として鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic alloy)を採用している。将来のADSの開発に向けて材料照射データベースを構築するため、J-PARCでは陽子照射施設の検討を進めている。陽子照射施設にはLBEループが設置され、核破砕環境かつ流動LBE中での材料照射試験が可能である。陽子照射施設において、LBEを安全に利用するためにいくつか解決すべき課題の一つとして、運転停止後にループ内のLBEをドレンタンクに導くためのドレンバルブがスラグ等を噛み込むことによって発生するスローリークがある。この問題を解決するため、JAEAでは液体金属系統の一部を融点以下に冷却することで配管中のLBEを固化して閉止する、フリーズシールバルブ(FSV)採用を検討した。まず、水冷式及び空冷式のFSV試験体を製作し、既設の鉛ビスマス要素技術開発装置の試験部に取り付け、動作・性能確認試験を行った。試験の結果、水冷式FSVは設計通りの性能を発揮することが確認された。本報告書では鉛ビスマス要素技術開発装置ならびに各FSV試験体の概要と各部の詳細、動作・性能確認試験結果について述べる。

報告書

第34回「タンデム加速器及びその周辺技術の研究会」報告集

株本 裕史; 中川 創平; 松田 誠

JAEA-Conf 2022-002, 146 Pages, 2023/03

JAEA-Conf-2022-002.pdf:9.89MB

第34回「タンデム加速器及びその周辺技術の研究会」は、令和4(2022)年7月21日(木)$$sim$$22日(金)の2日間に亘り日本原子力研究開発機構原子力科学研究所により開催された。新型コロナウイルスの感染拡大防止の対応からオンライン形式とした。本研究会は、タンデム加速器を中心とした静電加速器施設を運営あるいは利用する研究者・技術者の現場レベルからの話題提供を通じて、参加者相互の情報交換を図り、関連研究の発展や施設管理に資することを目的として行われている。本研究会へは26の大学、研究機関および産業界から約100名の関係者が参加した。発表件数は25件で、各施設の現状報告や加速器の技術開発、応用研究等について報告が行われた。また、今回はオンライン開催のためにポスター発表は行わず、口頭発表のみとした。本報告集は、これらの発表内容をまとめたものである。

論文

核変換に向けて

前川 藤夫

量子ビーム科学の基礎と応用; NSAコメンタリーシリーズ, No.27, p.15 - 25, 2023/03

量子ビームの産業応用の中でも特に我々人類にとって有益と考えられる核変換技術について解説する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

株本 裕史; 松田 誠; 中村 暢彦; 石崎 暢洋; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; 松井 泰; 中川 創平; 阿部 信市

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1109 - 1113, 2023/01

原子力機構-東海タンデム加速器施設は最高運転電圧が約18MVの大型静電加速器で、重イオンビーム等を用いた核物理,核化学,原子物理,材料照射などの各分野で利用されている。本発表では、2021年度における加速器の運転・整備状況およびビーム利用開発等について報告する。当施設では近年、運転中の放電が頻発するため、加速電圧を約15MVと以前よりも低く抑えている。これは加速電圧に対する絶縁性能が必要な機器類(セラミック製加速管や発電機駆動用アクリルシャフト等)が経年劣化してきているためと思われる。2021年度には低エネルギー側加速管7本(3.5MV相当)とアクリルシャフト2本の交換作業を行い、絶縁性能の回復を図った。2020年度にも同様の交換作業を行っており、全体的に経年劣化が進んでいると思われることから、今後は抜本的な対策を検討する必要があると考えている。また、当施設では、現在の施設のアップグレードを行い、後継となる加速器を導入する計画の立案を行っている。超伝導加速器の技術を使用し、高エネルギー・高強度の重イオンビーム等を発生させるものであり、こちらの概要についても併せて報告する。

論文

1/4波長型超伝導空洞の内面電解研磨の実施報告,2

仁井 啓介*; 井田 義明*; 上田 英貴*; 山口 隆宣*; 株本 裕史; 神谷 潤一郎; 近藤 恭弘; 田村 潤; 原田 寛之; 松井 泰; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.601 - 604, 2023/01

マルイ鍍金工業では、日本原子力研究開発機構(JAEA)と共同で東海タンデム加速器後段の超伝導ブースター用1/4波長型超伝導空洞(QWR)について再表面処理の検討を行っている。この空洞はニオブ-銅のクラッド板で製作されており、底部に大きな開口があるため、再度の電解研磨処理等が可能な構造になっている。再表面処理では、内面ニオブに電解研磨(EP)を施工して表面粗さを小さくし、高い加速電界(5MV/m以上)を発生できるようにすることを目標としている。2020年度には、マルイ鍍金工業がニオブ9セル空洞EPの経験で得た各種パラメータとJAEA所有の電極、治具等を組み合わせて、予備の空洞に対してEPを施工した。しかし、EP後のニオブ表面は光沢が増すものの表面粗さが良好な状態とはならず、加速電界もEP前よりは改善したが、目標値には達していなかった。2021年度には空洞のニオブ表面粗さと加速電界の改善を目指して、EPのパラメータ(電極面積,電圧,流量と揺動)を変えての実験を行い、設備,条件,表面粗さ等の評価を行った。また、今回はこれまでに観察してこなかった中心導体のドリフトチューブ部内面などについても広く観察を行ったので、そちらの結果も併せて報告する。

論文

粒子加速器における非破壊での遅いビーム取り出し手法の研究

永山 晶大; 原田 寛之; 下川 哲司*; 山田 逸平; 地村 幹; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.503 - 507, 2023/01

リング型粒子加速器であるシンクロトロン加速器ではリング内にビームを溜め込み、周回させながら加速したビームを徐々に供給する「遅い取り出し」技術で最先端の物理実験や放射線がん治療を実現している。従来の手法では、周回ビームと取り出しビームの間に電場分布を切り分ける電極を挿入する必要がある。現在の手法では、取り出し時に発生するビーム衝突が原理的に解決できず、機器の故障や出力制限の原因となっている。そこで、ビーム軌道上に挿入される電極を廃した新たな手法に基づく非破壊型静電セプタムを考案し、現在開発を進めている。従来型の静電セプタムと同等に粒子を周回ビームから蹴り出す為には、境界面で不連続のギャップを持つ階段関数のような分布の力を発生させるのが理想である。本発表では階段関数に近い分布のローレンツ力を真空中に発生させるための電極・電流路配置の最適化の計算方法や、発生させるローレンツ力によるビーム軌道の計算結果について報告する。また、現在進行中である本手法の原理実証に向けて開発した小型原理実証機についても紹介し、今後の展望についても議論する。

論文

塩素-36年代測定における同重体干渉抑制のためのイオンファネル反応セルの開発

神野 智史; 藤田 奈津子; 田沼 肇*

第23回AMSシンポジウム報告集, p.89 - 92, 2022/12

AMSにおいて、塩水系の地下水の年代測定に重要な塩素-36($$^{36}$$Cl)測定は妨害核種となる硫黄-36($$^{36}$$S)の影響により他の核種よりも測定が困難である。一般に$$^{36}$$Clと$$^{36}$$Sを分離するには、6MV以上の加速電圧が必要となる。そこで本研究は、イオンファネルを用いた反応セルを開発し、JAEA-AMS-TONO-5MVの低エネルギー側に組み込むことで目的核種の$$^{36}$$Clの妨害核種となる$$^{36}$$Sを選択的に抑制することを目的とする。

論文

地球科学分野における加速器質量分析を活用した研究の最前線

本多 真紀

Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan, 70(4), p.282 - 283, 2022/12

加速器質量分析(AMS)における計測技術と化学分離技術の発展によって、AMSで$$^{244}$$Pu (半減期8.1$$times$$10$$^{7}$$年)、$$^{60}$$Fe (半減期2.62$$times$$10$$^{6}$$年)、$$^{90}$$Sr (半減期28.9年)の高感度分析が可能になった。これによって、例えば海底堆積物の一種である鉄・マンガンクラスト中の$$^{244}$$Puを分析した研究では、これまでは核実験由来の$$^{244}$$Puに埋もれていた、太陽系外から飛来した$$^{244}$$Puの定量に成功した。更に、$$^{244}$$Puは中性子星合体などで生成されることを明らかにする等、重元素の起源となる天体サイト(生成場)の解明に繋がる研究成果を得た。本トピックスでは$$^{244}$$Pu,$$^{60}$$Fe,$$^{90}$$Srについて、AMSを活用した研究の最前線を紹介する。

論文

Challenging studies by accelerator mass spectrometry for the development of environmental radiology; Status report on the analysis of $$^{90}$$Sr and $$^{135}$$Cs by AMS

本多 真紀; Martschini, M.*; Wieser, A.*; Marchhart, O.*; Lachner, J.*; Priller, A.*; Steier, P.*; Golser, R.*; 坂口 綾*

JAEA-Conf 2022-001, p.85 - 90, 2022/11

加速器質量分析(AMS)は、原子核実験で主に利用させれてきたタンデム加速器に質量分析を組み合わせた分析法である。AMSの測定対象は半減期が10$$^{3}$$-10$$^{8}$$年の放射性核種である。この程度の半減期の放射性核種に対しては、その放射能を測定するよりも、その質量を測定する手法の方が10$$^{3}$$-10$$^{6}$$倍の感度で測定可能である。この特徴を利用してAMSは地球惑星科学、原子力分野等の研究に幅広く適応されている。様々な研究の中でもWallner et al. (2021, 2016)は地球惑星科学の分野で優れた成果を得ている。彼らは環境試料に含まれる$$^{60}$$Feと$$^{244}$$Puの超高感度分析に成功した。これらは天体内で起こる中性子の連続捕獲(r-process)によって生成される放射性核種である。この他に、発表者らの最新の研究ではレーザーによる同重体分離とAMSとを組み合わせた新AMSシステム(ウィーン大学VERA)による環境試料中の$$^{90}$$Srと$$^{135}$$Csの超高感度分析に成功した。環境中の$$^{90}$$Sr測定手法としては娘核種$$^{90}$$Yのミルキングによる$$beta$$線測定が依然主力であるが、本成果によってAMSが実用的な新規分析法となることが示された。本発表では$$^{90}$$Srと$$^{135}$$Csを中心に超高感度分析の技術開発の現状を報告する。

論文

第54回(2021年度)日本原子力学会賞論文賞; JENDL/DEU-2020: 加速器中性子源の設計研究のための重陽子核データライブラリ

中山 梓介

核データニュース(インターネット), (133), p.88 - 99, 2022/10

第54回(2021年度)日本原子力学会賞論文賞の受賞対象となった論文の内容を紹介した。重陽子加速器を用いた中性子源の利用が様々な分野で提案されているが、その設計研究に適用できるだけの精度良い重陽子核反応データベースは、世界的に見ても整備されていない。この現状を受け、中性子源において重陽子ビーム照射標的の候補となる軽核($$^{6,7}$$Li, $$^{9}$$Be, $$^{12,13}$$C)に対する重陽子核反応データベースJENDL/DEU-2020を開発した。核反応データの評価には、これまでに開発してきた重陽子核反応用計算コードDEURACSにさらに改良を加えたものを使用した。また、データベースの精度検証のため、標的核種や入射重陽子エネルギーを変えた様々な条件において、粒子輸送計算コードを用いたシミュレーションを実施し、実験データとの比較を行った。その結果、JENDL/DEU-2020を用いることで、他の核反応データベースや輸送計算コードに内蔵された核反応モデルを用いた場合よりも、幅広い条件において実験データの予測精度が大幅に向上することが分かった。

論文

Development of combined-function multipole permanent magnet for high-intensity beam transportation

不破 康裕; 高柳 智弘; 岩下 芳久*

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 32(6), p.4006705_1 - 4006705_5, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Electrical & Electronic)

大強度ビームを輸送するための手法としてJ-PARCリニアックにおいて多重極磁石を用いた空間電荷補正法が提案されている。この方式を実現するための機器として永久磁石を用いた複合多重極磁石を製作している。この多重極磁石ではビームを収束する四極成分に加えて空間電荷効果を補正する八極磁場成分を発生することができる。本項では製作した磁石システムの設計製作した磁石の機能と磁気的な特性を報告する。

論文

Design of beam focusing system with permanent magnet for J-PARC LINAC MEBT1

不破 康裕; 守屋 克洋; 高柳 智弘

Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.364 - 367, 2022/09

J-PARC LINACのMEBT1 (Medium Energy Beam Transport 1)は、RFQ (Radio Frequency Quadrupole)とDTL (Drift Tube Linac)の間に位置する3MeVビームの輸送系である。この区間ではDTLへの入射ビームのマッチングや後段の3GeVシンクロトロンの加速周期に合わせたビームのチョップを行っており、MEBT1の特性はJ-PARC加速器施設におけるビームの品質を決める重要な要素である。1MWおよびそれを超えるビーム出力を目指すにあたり、MEBT1の安定性および信頼性向上は重要な開発項目となっており、ビーム集束系への永久磁石の適用を検討している。本発表では、MEBT1への導入に向けた永久磁石を用いた集束磁石の設計およびその集束磁石を用いる場合のMEBT1のラティス検討結果を報告する。

論文

Properties of praseodymium permanent magnet for cryogenic hybrid magnet

不破 康裕; 岩下 芳久*; 近藤 晃弘*

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 32(6), p.4007304_1 - 4007304_4, 2022/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Electrical & Electronic)

強磁場の発生は加速器を含む先端研究を遂行するための重要な技術である。NbTIやNb$$_{3}$$Sn,高温超伝導材を用いたハイブリッド磁石は強磁場の発生に使用することができるが、Nb$$_{3}$$Snや高温超伝導材は材料コストが高い。そこで永久磁石をハイブリッド磁石に加えることで1T分の磁束密度を発生することができ、コストの高い線材の使用量が少なくすることができると期待できる。先行研究においては100Kまでの低温環境における永久磁石の磁化特性が調べられてきたおり、ネオジム磁石の磁化が100Kで減少することが知られている。一方で、ネオジムの代わりにプラセオジウムを使用した永久磁石では100Kにおいても磁化量が減ることなく保磁力も7T程度の値である。本研究では、プラセオジウム永久磁石の磁化特性を4Kの極低温において測定した。その結果、4Kにおいてプラセオジウム磁石の磁化は減少することなく10Tの保磁力を有することが明らかとなった。

論文

Beam emittance growth due to the strong space-charge field at low energy of a high-intensity ion linac and its mitigation using an octupole magnetic field

地村 幹; 原田 寛之; 金正 倫計

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2022(6), p.063G01_1 - 063G01_26, 2022/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:28(Physics, Multidisciplinary)

高強度イオンリニアックの低エネルギー領域では、強い空間電荷場により、わずか数メートルの距離でビームエミッタンスが急速に増大する。このビームエミッタンスの増大は、ビーム損失や装置の放射化につながり、加速器機器の定期保守やビーム強度増強の際に大きな問題となる。本研究では、3次元粒子追跡シミュレーションと理論的考察に基づいて、空間電荷場によるビームエミッタンス増大の要因を調べた。J-PARCのリニアックをモデル化した数値シミュレーションによって、空間電荷場の非線形項が直接ビームエミッタンス増大とビームハローの形成を引き起こすことを明確にした。また、空間電荷場の非線形項の一つとして生じる八極磁場を用いて、ビームエミッタンス増大を緩和する方法を世界で初めて提案した。この方法をシミュレーションに適用し検証した結果、ビームエミッタンス増大を有意に緩和することに成功した。

855 件中 1件目~20件目を表示